和泉屋勘兵衛 建築デザイン室
メニュー

Photographed by STUDIO REM 平 桂弥

兵庫県川西市の多田地区には、一級河川猪名川が流れ、源氏の祖である源満仲が開いたと言われる多田神社があります。

この住宅は、開発の波に押されてそのたたずまいを失いつつある多田神社の参道沿いに計画されたもので、にぎやかだった往時の面影を次代につなごうと、いくつかの仕掛けをしました。
黒い板塀は、お向かいの家を含め以前は参道の随所で見られました。40代の施主にとっても印象的なものだったということで、その板塀を道路との結界として配し、建物側からは路地空間を形作る素材として利用しました。

格子戸をくぐり路地に入ると、奥には施主の祖父が銭湯をこの場所で営んでいた時代に使用していた井戸が見えます。

これは内部からも坪庭の風景として畳の間を通して望めるよう計画してあります。玄関屋根は古材が支え、玄関ホールの天井も施主ゆかりの煤竹を張りました。

ミニ開発が進み当時を偲ばせる建物も残りませんが、多田神社の参道としてこれからの地域づくりに活かせる他にはない要素を持っていることに、地域が目を向けて欲しいと願って止みません。

所在地
兵庫県川西市新田
家族構成
夫婦2人+子ども3人
法規
都市計画区域内
市街化区域 第二種中高層住居専用地域
建ぺい率  60%
容積率   200%
構造・工法
主体構造 木造在来工法
構造材  高知県産の燻煙ミスト乾燥させた杉・桧
基礎   ベタ基礎
規模
地上2階+ロフト
床面積  1階 70.59㎡
     2階 56.31㎡
延床面積 126.90㎡(38.38坪)
主な仕上
外壁 スタッコ吹き放し しっくい塗
内壁 薩摩中霧島壁 珪藻土壁紙
天井 ラーチ合板 珪藻土壁紙
床  北欧パインフローリング32mm
   蜜ロウワックス仕上
屋根 耐摩カラーGL 瓦棒葺
施工
米田建築株式会社
竣工
2001年7月